”山桜”酵母のお酒 その二

”山桜”酵母のお酒に行く前に、ちょっとした桜川市と山桜の基礎情報、お酒づくりの経緯を整理してみます。

山桜の詳しい基礎情報は、『桜川のサクラ』をご覧いただくとして。


山に自生の山桜
筑波山と富士山を同時に眺めることができる場所です。

だいぶ要約してみます。
茨城県桜川市は、国の名勝・天然記念物「桜川のサクラ」に代表される”山桜”の名所です。
古くは、平安の歌人紀貫之がこちらに来たこともないのに、素晴らしい桜があると噂に聞いただけで和歌に詠んだり。
室町時代には、能の大家世阿弥が謡曲を作ったり。
水戸の黄門様が、桜を気に入ったので、水戸の川の名前を”桜川”にしてみたり。
江戸時代には、玉川上水や隅田川にも、桜川の山桜と吉野の山桜が移植されて名所になっていたり。
歴史的にみても由緒ある”山桜”の産地なんです。

ここで”山桜”という単語ですが、ほとんどの日本人が”サクラ”というと、江戸時代に人間(造園屋さん)の手によって作られた園芸品種の”ソメイヨシノ”を想像していると思います。
パッと咲いてパッと散るという潔さと、花の勢いがすごくて派手で見応えがあるので、瞬く間に全国に広がったそうです。実際あの圧倒的な咲きっぷりはすごいです。
ですので、本来は人間の手によって作られた園芸品種である”ソメイヨシノ”ではなく、”サクラ”と言えば自然品種の山桜なわけです。
ここらへんも『桜川のサクラ』を見てください。

ふたたび途中をはしょりますが、『桜川のサクラ』として歴史的背景もしっかりしており、自然のままの手つかずで多く残る、この桜川市の”山桜”を活用して、何とか自分たちの地域を元気にしよう!と立ち上がったのが、旧岩瀬商工会青年部のメンバーを中心に組織している”サクラサク里プロジェクト”です。
彼らは、貴重な地域資源である”山桜”の保存と同時に、経済の活性化が必要であるとの観点から新商品開発なども検討しています。
”一真堂”さんでは”謡曲桜川もなか”という名物がありますが、この活動を契機に”めん工房ほさか”さん、”中華菜館 彩菜”さん、”ジュエリーマーノ”さんでも関連の商品を開発してきました。
そんななか、話題にのぼっていたのが、山桜から採取された酵母菌を使った日本酒づくりをはじめとした商品開発だったのです。(2008.8.28)
工業技術センターに足を運んで研修もしました。Y浦さんありがとうございました。(2008.9.17)
2人のある協力者の計らいにより、酒蔵さんに相談もしました。(2008.11.11)
ただ残念だったのが、いろいろな条件がそろわず、話は進まなかったわけです。3年前の話です。

でも、実はこのとき相談に行ったのが、今回”山桜”から採取した酵母菌で日本酒づくりをしている酒蔵さんなんです!そのとき話を聞いてくれたのは当時の社長さんで、”親父さん”でした。(2010.3)
今”山桜”酵母のお酒づくりを直接指揮しているのは、”息子さん”で、相談の話とは別に何か特徴のあるお酒を造ろうと行動しはじめていたところだったんです。(2010.4.5)
”親父さん”が当時の相談のお話を覚えてくれていて連絡をくれたことが、サクラサク里プロジェクトやこの記事を書いている”私”が、今回の”山桜”酵母のお酒づくりに関わりをもてることになった経緯です。

つづく、、、

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